Data Provided by 東京スター銀行

事業承継 情報ギャラリー

インタビュー vol.2 〜オーナー社長の事業承継と次世代承継に向けての取組み(後編)~

next-cfo
執筆者 ばとんたっちbiz編集部
先代からの事業継承

創業84周年を迎え、印刷の進化の最先端を走る東洋美術印刷株式会社。オーナー社長が義理のお父様から会社を引き継いだご経験や次世代への承継についてお話いただきました。
前編に引き続き、後編をお届けします。

 前編はこちら 

記事のポイント

● 次世代の後継者の育成と承継
● 株価算定の重要性について
目次
  • 1. 次世代への事業承継
  • 2. 株価対策(株価算定の意義)
  • 3. 社長にとっての事業承継
掲載日:2019年7月11日

1.次世代への事業承継

山田:
次世代への事業承継について、オーナー家として次の後継者をどのように考えていますか?
事業承継の一つの手段として、従業員の中から次の社長を選ぶという選択肢は検討されていますか?


社長:
そうですね、全く選択肢がない訳ではないと思います。ただ厳しい業界でありますし、また従業員やその家族もいますのでその責任を背負えるかというと簡単ではないと思います。もうちょっとは私ができると思っています。しかし、これから何が起こるかは分からないので、その時に任せられる社員がいれば、その可能性もあると思います。しかし、また、銀行との関係や経営における意思決定の責任の重さを考慮したときに本来オーナー家がやるべきという面もあり、社員という選択肢はつなぎ的な形であるかもしれません。


山田:
社員でもオーナー家でもいずれかが将来、承継するとしても、社内で経営者を囲む経営人材を多く育ててあげる方がいいですよね。
例えば子会社化したり、会社の中でカンパニー制をやったりして、社員にも一定の責任を持たせる。そして、ある程度になったらオーナー系が責任を取るという形もありますね。


社長:
当社は色々な新しい事業をやろうとしていますし、それもありだと思います。やっぱり自分で責任を持って経営するってことをやらないと。そういうチャンスを社員にも与えられればいいと思いますね。

山田:
子会社の社長を経験させるというのを、教育の一つのステージに組み込んでいる会社も多いです。社長が現役の間に、何があっても判断できる体制をとりながら準備することも可能です。ご自身で出資すると意識が変わります。

山本久喜社長

2.株価対策

山田:
自社株式の承継に際して、一般的に退職金を活用した株価対策があり、これまでの功労に報いる為のもので意味があると思うのですが、リースに投資する等の一時的な株価対策についてはどう思われますか?また、株価対策の提案を金融機関から受けることはありますか?


社長:
自分の退職金向けの保険の話はよくありますが、あからさまに株価を下げるための提案は聞かないですね。あまり無理やり節税対策をして株価を下げることはどうかと思います。


山田:
御社の株価については、日々意識されていますか?やはり、一年に一度くらいは確認されているのでしょうか?


社長:
今は承継の時期ではないと思っているので、それほど意識はしていないですけれども、気にはなりますよね。毎年、正確に作る気はないので、そういう意味では、わざわざお金を払って毎年株価算定しようとは思いませんが、やはり気にはなるので、ちょっと調べたい時に、『ばとんたっちbiz』のような簡易試算サイトがあるのはいいですね。


山田:
何かきっかけがあると、株価が気になるといったところでしょうか。


社長:
そうですね。何があるか分からないので、やっぱり株価は掴んでおきたいです。
ただ、そうは言っても、今すぐアクションは起こさないので、わざわざ税理士の先生に頼んでお金を払って株価算定というところまではいかない。自分なりの簡単なシミュレーションである程度の概算値を把握できればいいのかなと思います。例えば、家族会議の中で株価の話題が出るかもしれないので、その時にちょっと調べられるというのはいいですね。


山田:
家族会議をされているのですか?


社長:
先輩の経営者からアドバイスを受けて、妻と二人の息子を含めて年に一回はやろうという話になりました。たまたま夫婦でその先輩社長の話を聞く機会があって、その会社は息子さんが上手く会社に入って、子会社の社長もされています。私一人で聞いたら、またの機会にとなってしまったのかもしれませんが、夫婦二人で話を聞けたのは良かったです。これから続けていきたいと思います。


山田:
後継者となられるかもしれない、息子さんたちのご反応はいかがでしたか?


社長:
そうですね。良かったと思いますよ。ただ、我々はファミリービジネスなので、仮に事業に直接関与しなくても、何らかの形で関わる可能性がありますし、株式も誰がどの程度、承継していくべきかもまだ分からないですしね。
もちろん、息子たちも色々な事をやりたいという考えもあるので、それはそれとして、現状認識ができたのは良かったと思います。
僅かですが、息子たちも当社の株式を持っていますし、誰が舵取りをするのかといった関与の度合いは別として、 ファミリーがこの会社に絡んでいるという意識はできたのではないでしょうか。まだ、具体的に株価の話まではしていませんが、ただ、相続に際して時限立法の事業承継税制ができているということは伝えました。

3.社長にとっての事業承継

山田:
最後に、社長にとっての事業承継について教えてください。
これから次の世代に承継するにあたって、どのような会社に変えていきたいと思っていますか?
また、事業承継をどのように活用していきたいですか?


社長:
そうですね。事業承継をするにあたって、諸々の課題は解決してきれいに承継したいと思っています。次世代に、自分らしくやりやすい環境、資産的なものも含めて色々な新しいチャレンジができる余裕のある環境を提供したい。もし運転資金もなく自転車操業だと、新しい事をやる余裕もなく繋ぐだけになってしまいますので。
今の印刷業界はそのぐらい厳しくて、承継されずに廃業するケースが多くなっています。それは逆に言えば、承継させる側もそういった苦労をさせたくないということがあると思います。理想はこういう苦労を無くして、次世代が新しいチャレンジをできる環境を作ってあげることだと思います。
次世代が経営して上手くいくまでには、やはり時間がかかりますよね。トライアンドエラーもあるし、10年くらいは自分で考えられる余裕期間を与えたいという理想があります。あまり会社の仕組み等で苦労せずに、新しい次の20年を作るための助走期間を与えたいなというのはありますね。


山田:
社長が先代から承継された時は、ご苦労なくスムーズに行きましたか?


社長:
そうですね。まあ株式に関しては先代の配慮がありました。事業に関しても、全く余計な口出しはなかったと思いますね。特に社長になって、代表権を持ってからですかね。そこはやりやすかったとは思います。


山田:
株式はある程度ちゃんとした方向付けが必要ということが一番の基本ですかね。


社長:
そういうことですね。株式の整理がまずはベースですね。それに加えて新しいチャレンジができる環境を次世代に提供したいと思います。


東洋美術印刷株式会社
東洋美術印刷株式会社

・所在地:東京都千代田区
・概要:各種印刷事業、デジタルメディア事業、コンテンツサービス事業など
・ホームページ: https://www.toyobijutsu-prt.co.jp/

1935年(昭和10年)東洋美術印刷所として創業。品質にこだわった美術印刷を中心に発展し1948年(昭和48年)東洋美術印刷株式会社設立。

山本久喜社長
山本久喜社長

1985年 冨士ゼロックス株式会社入社
1991年 東洋美術印刷株式会社入社
2003年より現在まで 同社代表取締役社長


インタビュアーエスネットワークス株式会社山田惇依
インタビュアー 株式会社エスネットワークス 山田惇依

株式会社エスネットワークス グローカル事業本部 事業承継部
公認会計士、公認不正検査士、日本ファミリービジネスアドバイザー協会フェロー。



Point <ばとんたっちbizの使い方>

株価算定シミュレーションの入力項目をご紹介いたします。
お手元に決算報告書をご用意いただき、あなたの会社の株価を簡易算定してみませんか?



■相続・贈与
下記の項目を入力いただきますと、相続・贈与時の株価が算定できます。

1.従業員数7.土地等の簿価・含み益   
2.業種8.発行済株式数
3.総資産額9.売上高
4.純資産額10.税引前当期純利益
5.資本金等の額11.配当金額
6.保有株式等の簿価・含み益


■譲渡(詳細版:10分コース)
下記の項目を入力いただきますと、譲渡時の株価・企業価値が算定できます。

1.業種9.前期 買掛債務
2.前期 売上高10.前期 有利子負債
3.前期 営業利益11.前期 純資産
4.前期 純利益12.売上高成長率
5.前期 減価償却費13.今期以降 営業利益率 
6.前期 現金及び預金  14.前期 純資産
7.前期 売掛債権15.今期 純利益
8.前期 棚卸資産16.設備投資計画

7項目(赤文字)の入力で算定できる簡易版(3分コース)もございます。
next-cfo
執筆者
ばとんたっちbiz編集部
メールでのお問合せはこちら:ばとんたっちbiz ホットライン
お電話でのお問合せはこちら:0120-505-710 (平日9:00〜17:00)
「ばとんたっちbizホットライン」は東京スター銀行がサポートしています